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2025年度カレンダー・メッセージ解説(PDF)

2025年度カレンダー・メッセージ解説

今年のメッセージは、作者の体験に合わせ、その時代に想いを馳せ浮かんで来た情景に合わせたメッセージを綴りました。皆さんの懐かしい記憶と共感出来れば嬉しく思います。
今年のテーマ「温故知新」にちなんで、皆さん自身の古き良き想い出の回想から、今日の自分、明日の自分へのメッセージが見つかるといいですね。

1月
今日こそはと何度もメニューを読み返すけど 決まっていつものあれに 
気になるメニューもあるけれど 値段が気になりいつも素通り 親の顔と財布が気になる子供心

せっかく外食に来たんだからと、いつもと違うメニューを選ぶ気満々なのですが、やはりいつものお決まりのメニューになってしまいます。それでもいつも満足でした。
他にも食べてみたいメニューがありましたが、値段を見て子供心に遠慮して見て見ぬふりをしていた事を思い出します。また何度も連れて来てもらいたい気持ちがそうさせたのでしょうか。
子供は親の想像以上に親の顔と財布を気にしているのかもしれません。

2月
ふとんの中でふと思う これで自分も最後かもしれない 孤独を感じた昼下がり 手にした体温計は38度

子供の頃、熱を出して学校を休むのは特別な感じがして少し嬉しかったのを思い出します。
しかし平日の昼下がり、静かな家で一人寝ていると妙な孤独感を味わったものです。そして具合が悪くなると一人の孤独感が後押ししてか、もしかしたらこのまま死んだらどうしようなどと弱気になったものです。
38度という大した事のない微熱、そして大げさな弱気の対比で子供の心境を表しています。

3月
のれんをくぐると熱いプールが待っている 今日はどの瓶を選ぼうか 火照った体を癒してくれたあの風は まだあの道に吹いているのかな

銭湯をモチーフにしました。言ってみればただの風呂ですが、子供にとって大勢の大人の中で入る銭湯はちょっとした遊園地のようでした。
子供にとって人がいない銭湯はまさに特別な貸し切りプール。しかし子供には熱すぎるお湯ですぐにのぼせてしまいます。火照った体を癒してくれるのが瓶に入った牛乳。特別な日はフルーツ牛乳。
帰り道、頬をなでる心地の良い風が妙に懐かしく思い出されます。

4月
時間も忘れ夢中になって語り合ったあの日 何時間も何日も いったい何を話していたのだろう
あの頃はただ語り合うだけで良かった それだけで十分に幸せだった

毎日会っている友達なのに、それなのに毎日毎日時間を惜しんで暗くなるまで一緒に遊んだものですね。
一緒に笑ったり、泣いたり、ケンカしたり。毎日何を話していたんだろうか、あの頃の会話を聞いてみたくなります。
少し大人になると今度は好きな子と一緒にいる時間が増えていきます。まだ手も繋げない子供同士の甘酸っぱい恋の時代です。時間が止まって欲しいとの願いも空しく、二人の時間はあっという間に過ぎてしまいます。一緒にいるだけで、語り合うだけですべてが満たされた時代です。

5月
小さなテーブルを囲んだ「いただきます」 いつもおんなじだったけど心がいっぱいに満たされた
私は今ずいぶん贅沢になれたけど あの時よりも心は満たされているのかな

それぞれの一日を終え、良い日も悪い日もまたいつもの同じテーブルに集まって来る。それが家族との絆だったような気がします。
それほど大した料理が並んでいた訳じゃないけど、みんなで一緒に囲む食卓はいつも最高の御馳走でした。
今思えば、あれは食卓に並んだ料理ではなく家族と共に過ごす時間が御馳走だったのですね。

6月
あこがれの新品 ついに私にもお下がりの卒業式がやってきた 大人になれた気がした日
何故だろう 蝉の声は少しだけ寂し気だった

上の兄弟がいると必ず通らなければならないのが「お下がり時代」です。
新品を身にまとう同級生を横目に少し恥ずかしかったのではないでしょうか。
進級もしくは進学などを期に、自分だけの新品を買ってもらえるようになると、少し大人になったような気持ちになりました。
そして新しい生活が少し落ち着いた頃になると、もう子供だからと言い訳が出来ない年齢になった自分を自覚するようになります。そんな時、お下がり時代のあの頃を少し懐かしく思いながら自転車をこいでいます。
そんな時に聞こえてきた蝉の声は、力強くそして切なくもありました。
新しいスタートの春、そして新しい生活に慣れてきた頃の夏、この時間の経過を比喩として蝉の声をあてました。

7月
何もなくても毎日がキラキラと輝いていた この街はあの時とそうたいした変わりはない
変わったのは私かもしれない それが生きてきた証ならばこれからも変わり続けよう 何もおそれずに変わり続けよう

喫茶店に初めて行った時は自分もこれで大人の仲間入りを果たしたとそんな気になったものです。
何もかもが新鮮で輝いていました。街は今もそれほど大きく変わってはいませんがあの頃のようにワクワクする事は少なくなってしまいました。
でもそれがすべて悪いとも限りません。それだけ生きてきたのですから、それもまた新たな変化として受け止めればいいのかもしれません。
またこれからもそうやって自分が変化し続けていくのでしょう。

8月
小さな幸せを見つけたら その次はもっと大きな幸せが見つかるよ
幸せなんてどこにでも転がっている 転がってるから見過ごさないでちゃんと見つけてね

初めての嬉しい出来事に遭遇すると私たちは幸せを感じます。でもある程度年齢を重ねてくれば、そうそう新しい出来事に遭遇する機会も少なくなります。
だからといって幸せが減っていくのではないでしょう。昔には気が付かなかった幸せを見つける目も増えていくはずです。
当たり前だと思えば幸せは半減します。特別だと思えば幸せは倍増します。結局は私たちの心ひとつなのですね。

9月
自分の信じた道を歩めばいい 人と違ってもいいじゃないか 不器用でもいいじゃないか
その道を誰かに褒められずとも 自分で自分を認められたらそれでいいじゃないか だって自分の人生だから

みんな同じ箱の中に入らなければ認められない社会になっています。箱からはみ出した人はそれこそ「はみ出し者」扱いです。
でも、そもそも人間の心なんていうものは、きれいに整った形はしていません。どっか歪でどっかはみ出しているものです。
だからこそ人間味があるのではないでしょうか。社会全体がみんな同じ形、同じ色、同じ匂い、同じ音だとしたら、それこそ味も素っ気もない無機質な社会になってしまいます。
だからあなたはあなたらしく生きて行けばいいのです。

10月
人は一人では生きていけない もしあなたが私の隣にいないのなら 私にとってそこは音のない映画館
もしあなたが私の隣にいるのなら そこはどんなに素晴らしい場所よりも私に喜びを与えてくれるところ 私もあなたにとってそんな場所でありたい

時に私たちは形あるものに囚われがちです。煌びやかな見た目に惑わされてしまいます。
どこに居るかよりも誰と居るかの方が大切です。何をもらったかよりも誰からもらったかの方が重要ではないでしょうか。
無意識のうちにも私は人に様々なことを求めてしまいます。であるならば、私自身も人から求められるような人間なのかを考えなければなりません。
そうであるように生きて行かなければならないと思う今日この頃です。

11月
ダイヤルを回しては何度も受話器を置いた日 ただ声が聞きたくて あなたを想いながら一日が終わる
かけがえのない時間 その時間が私のすべて

今のように瞬時に誰とでも繋がれる時代ではなかった青春時代を過ごした人も多い事と思います。
連絡を取り合えない時間が逆に心を繋ぐ時間となりました。次会う日まで何度も空想を重ね相手を想い描いた時間がさらに愛を加速させました。
今は、そんな想いを馳せる時間をとる事自体が難しい時代なのかもしれません。便利と引き換えに失ったものは逆に時間なのかもしれません。

12月
時間は立ち止まる事を知らない 過ぎゆく時間は時に私を苦しめ 時に私に希望を与えてくれる
時は過ぎそしてまためぐる 大切なのは今この瞬間を大切にする事 なぜなら この瞬間だけが 
私が私の意志で生きる事が許された時間なのだから

過ぎた事をクヨクヨ考える人、まだ起きていない未来に不安を募らせる人、そんな人は今という瞬間を大切にしてほしい。
過去も未来も自分でコントロールする事は出来ません。なぜなら、過去はもう過ぎ去ってしまったし、未来はまだ現実になっていないのですから。
私たちが変えられるのは「今」しかありません。「今」のその選択なら自分の意志ひとつでどのようにも変える事が出来ます。しかしその「今」が未来を創っています。そしてその連続が過去となります。
同じ人生、同じ時間を過ごすのですから、その時間を「今」に全力で使いたいものです。