夏真っ盛りの8月。
気温も湿度も高いムシムシとした暑さで、冷房や冷たい食べ物が欠かせなくなる季節ですが、体を冷やしすぎると冬の体調に影響を与えてしまうと言われています。
「冬病夏治(とうびょうかち)」という言葉を聞いたことはありますか。
冬病夏治とは、「冬になりやすい病気を夏の暑い時期から予防・治療する」という東洋医学や漢方の考え方です。
さらに、東洋医学や漢方では、自然界の全てのものは「陰」と「陽」の要素で分けられるとし、お互いに補い合ってバランスをとっていると考えます。
例えば、昼は「陽」、夜は「陰」、春夏は「陽」、秋冬は「陰」というようにです。
そして、この考え方は自然界の一部である、我々人間の体も含まれ、陰陽のバランスが整っている状態が健康とされています。
陰の気(エネルギー)が強い冬の時期に体調を崩しやすい方は、夏のうちに陽の気(体を温める力)を補うことで改善すると言われています。
つまり、1つ前の季節から前もって準備をしておくことで、健康を維持することができるのです。
夏のオススメの過ごし方
冬に備えるためには、夏の今から体を冷やしすぎないようにする必要がありますが、暑さを我慢しすぎるのも心身への負担になります。
ここからは無理せずに行う、夏のオススメの過ごし方をご紹介します。
○エアコンの使い方
暑い時には設定温度をできる限り低く設定して、心地よく過ごしたいと考えてしまいますが、その中でずっと過ごしてしまうと、体を冷やしすぎるということになりかねません。
また、よく28℃が良いというのを耳にしますが、それよりも、自分の体に意識を向け、冷えすぎていないかどうかをしっかり感じて、そのときの感覚に合った温度設定にするようにしましょう。
また、仕事場などでは、温度を変更するのは難しいかもしれません。
そのときには、ひざ掛けや羽織ものを準備して夏の冷え対策を万全にしましょう。
○食事
冷房で、涼しく過ごすことはとても大切なことですが、体を涼しくしてくれるものは他にもあります。それが「野菜」です。
野菜には、体を温める「温熱性」の野菜と体を冷やす「寒涼性」の野菜があります。
夏は体の中に熱がこもりやすいですが、その余分な熱を取ってくれるのが「涼性」の野菜になります。
寒涼性の野菜
トマト・なす・きゅうり・レタス・キャベツ・白菜・ほうれん草など
寒冷性の野菜は夏野菜が多いので、夏に旬を迎えるものを食べるように心がけましょう。
また、冷房に当たりすぎて、体が冷えてしまった場合には、温熱性の野菜がおすすめです。
温熱性の野菜
にんじん・ねぎ・たまねぎ・ごぼう・かぼちゃ ・生姜・にら・にんにくなど
地面の下にできる根菜類は体を温める食材が多いので、冷えが気になる方はこれらの食材を積極的にとるようにしましょう。
(その他のおすすめの過ごし方については、会報誌・メディ通信8月号に掲載しておりますので、そちらもご覧ください)
大切なのは、自分の体に意識を向けて観察し、その状態にあった環境を整え、食事を摂ることです。
冬に快適に過ごすためにも、夏のうちから整えていきましょう!
(2024.8.10)